「育毛ハゲ」も髪の毛とはかなり格闘してきました。

頭皮をたたくマッサージと、たっぷりと薄毛用シャンプーを使う生活から脱却しようと、とうとうあるキーワードで検索をしました。

 

「検索:若ハゲ」

 

もっと早く調べなかったのは、自分で自分がその仲間だと認めたくないという強い思いと、プライドがあったからです。

 

……が、いつまでもそんなことは言っていられません。

 

気にすれば気にするほど毛が減っていく気がしてしまうのです。

 

今食い止めなければ、就職活動にも影響が出てしまうかもしれません。

 

いや、確実に出ます。

 

検索結果

 

さて、実際の検索結果は私が想像していたものよりも温かかいものでした。

 

若ハゲで悩む人間は私の想像以上に多く、そこには同じ仲間を持つ同士のコミュニティがすっかりと出来上がっていたのです。

 

その世界の扉を開いた時、心の底から安堵したのを覚えています。

 

ハゲていたっていいじゃないかと励ましあえる仲間がいました。

 

更に、より様々な情報が欲しいと私はツイッターを始めました。

 

いや、前から利用はしていたのですが、知り合いも見ている自分のアカウントで若ハゲについて呟く勇気はありません。

 

 

そこで、別のアカウントを取り、素の自分でいられる場所を得ようと考えたのです。

 

ツイッター上には気にしてみれば若ハゲに関するハッシュタグや、グループがいくつも作られていました。

 

ハゲッターなどとバカにするような輩もいるにはいたましたが、概ね明るい雰囲気に私のような人見知りも飛び込む勇気が湧いてきます。

 

そして、ぽつりぽつり自分の今の髪の毛事情について呟いているうち、一人の男性からメッセージが届きました。

 

男のプロフィールは私と同じ20代前半で、アイコンに使われている頭の写真は私のそれよりもだいぶ寂しい印象を受けます。

 

検索:若ハゲ|育毛ハゲタカ記

 

『初めまして。都内在住とのことですので、良かったら私たちのサークルに参加しませんか?』

 

男性に誘われたのは「はげます会」

 

男性に誘われたのは「はげます会」というネタのような集まりで、ツイッターを通じ、ハゲについての悩みをざっくばらんに語る会なのだと彼は言いました。

 

定期的に飲み会を開催しているとのことで、元々飲むのが好きな私はそのお誘いを受けることに決めます。

 

彼女とはあれから別れてしまい、新しい出会いの期待するような気持ちはありませんでした。

 

かといって、大学の仲間とでは髪のことを気にしてしまいどこか疲れるようになっていた現状。

 

そんな中でも実は好きな酒をおいしく飲みたいと思っていたのです。

 

それが同じ悩みを持つ面々となら、どれだけ気持ちが楽でしょうか。

 

 

当日、実際の飲み会に参加しました。

 

 

行ってみると、アレ、普通に、髪の毛がある・・・・。

 

と思って、詳しく話を伺ってみると、実はカツラというオチでした。

 

みなさん、すでにカツラをしている隠れハゲだったんですね。

 

その中の一人に

 

「まだまだそのくらいで悩んでいちゃダメですよ」

 

と、肩をたたかれようやく少し笑うことができました。

 

その方は、すっかり後頭部が顔を出していたので気持ちも楽になりました。

 

検索:若ハゲ|育毛ハゲタカ記

 

その時のハンドルネームが「組長」という名前だったので

 

その会では、「育毛ハゲ」は、組長と呼ばれてます^^

 

こうして私は裏で組長と呼ばれつつ、表では学生として就職活動を始める時期に差しかかっていました。

 

こうなるとやはり気になるのは履歴書の写真です。

 

日に日に生え際が危なくなってきている私の写真はすっかりと老けてしまっています。

 

ハゲを理由に面接で落とされないだろうか?

 

そんな不安がよぎります。

 

現実にはなにしろ就職難の時代ですので、手ごたえのある会社もあれば、そうでない会社もありました。

 

けれど中には露骨に、

 

「小野さん、年齢誤魔化してるでしょう」

 

とにやにやしながら言う失礼な面接官もいて、そういう上司のいる会社は仮に受かっても就職してなるものかと心の底で決意しつつ、もし自分が若ハゲで悩んでいなかったら、悪気はなしで失礼なこと
を言っていたかもしれないと少しだけ恐ろしくなったりもしました。

 

大丈夫、いつも通りの自分でいればいい。

 

基本的には真面目な私ですので、何社か面接をしていくうちに、とある営業の会社からお声をかけて頂きました。

 

ここでもハゲが営業をして大丈夫だろうか?

 

完全に内勤の方がいいのではないか?と一瞬迷ったのですが、髪ングアウト同好会のメンバーの中には幾人かの営業職の人間がいました。

 

彼らはハゲってだけで名前をすぐに憶えてくれるだの、イケメンよりハゲの方が信頼されるだのとプラスになることを話していましたので、そんな言葉に押されるように営業マンになることを決めたのです。

 

中堅企業で安定している会社です。残業はそれなりにありますが、土日は完全に休みで自由な時間が取れるところも気に入りました。

 

さあ、新しい生活の始まりです。

 

検索:若ハゲ|育毛ハゲタカ記

 

新しく買ったスーツを着て鏡の前に立つと、そこにはすっかりと何年も会社に勤めていますといった貫禄ある私が映ります。

 

すれ違う人間の誰もが私を新卒だとは思わないでしょう。

 

それでもいいのです。

 

無事に就職が出来たこと、それに大学を卒業すれば周りとの比較が無くなります。

 

それほどに、若ハゲで学生を名乗るのは私にとって辛いことでした。

 

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