子供は残酷

恐怖の社員旅行を終え、清々とした気持ちでいた私でしたが、ハゲが治ったわけではありませんので悩みが尽きることはありません。

 

イベント続きの決算月。

 

会社ではお得意様をお迎えして、ちょっとしたイベントを行おうという動きになっていました。

 

いわゆる感謝祭というやつで、私たち社員ははっぴを着用し、ちょっとした食べ物やゲームや、風船を配ったりとファミリー向けのサービスをするのです。

 

学園祭などのこういうノリが得意ではない私ですが、今回は駐車場の案内ということで一安心をします。

 

立っているだけの仕事の方が疲れはしますが気が楽です。

 

子供に禿げてるといわれ・・・

 

ところが……家族連れを駐車場に案内し、会場の案内図を配っていると4歳くらいの子が大きな目で私を見つめながら親に尋ねます。

 

子供は残酷|育毛ハゲタカ記

 

「ねえねえ、どうしてあの人の頭つるっとしてるの?」

 

直球でハゲと言われなかっただけマシかもしれませんが、思わず私は硬直してしまいました。

 

「別にそんなこと無いわよ」

 

とフォローしながら足早に立ち去っていく親子。

 

子供の純粋な目線からすると、それは不思議な光景なのでしょう。

 

それだけでは終わらず、

 

「ママ、あのおじさんハ……」

 

まで言いかけて、口を押さえられた男の子もいました。

 

まさかあのおじさんハンサム、な訳がありませんので答えは間違いなくハゲでしょう。

 

大人に気を使われるのも辛いことですが、子供の無邪気さも時には凶器となるのでした。

 

後日この話を友人ゲハさんにしたところ、彼の場合は甥っ子にやはり突っ込まれるようです。

 

ただハゲだとからかわれるだけなら耐えられるものの、不安そうな顔で、

 

「おじちゃんとぼくはしんせきだから、ぼくもハゲちゃうのかな」

 

と聞かれ、返事をすることが出来なかったとか……。

 

ハゲは遺伝要素もありますが、それを言うなら私だって何世代も前に遡り愚痴を言いに行かねばならなくなってしまいます。

 

文句を言ったところで何が変わる訳じゃありませんから、それよりも育毛への道へ懸ける訳ですが……。

 

髪は生えるのか?ハゲとの死闘

 

こんな毎日を過ごすうち、私はアラサーと呼ばれる年齢になってきました。

 

手を打つなら今しかない。

 

30代を目前にし、これまでとは違う最後のふんばりのような気持ちが湧いてきます。

 

子供は残酷|育毛ハゲタカ記

 

そろそろ頭の片隅に結婚の二文字がちらつき始めたこともあったかもしれません。

 

これまでは自由な生活をしていましたが、ハゲている上におっさんになってしまったらもう独り身決定みたいなものです。

 

結婚適齢期のうちになんとかしなけければ。

 

それなりに貯まった貯金通帳とにらめっこをし、私は一つの決意をします。

 

本気で育毛剤と向き合おう!と。

 

傍から見ればまぬけな宣言かもしれませんが、市販薬では私の髪にはもう効いてくれないのです。

 

それならば、もっと効果のある本格的な育毛剤に手を出す時が来たのです。

 

それが、薄毛の有効成分と言われるミノキシジルやプロペシアなどが配合された商品です。

 

実はこれまでにも購入を考えたことはありました。

 

しかし、一度始めたら最低でも半年以上の長期に渡り続けなければいけないということを知っていましたので、価格面を考えると手が止まってしまっていたのです。

 

薄毛は保険の対象になりませんから、薬価が当然高くなります。

 

悔しいことにどれだけ精神的にダメージを受けたとしても、ハゲ=病気にはならないのです。

 

副作用の報告も気になる部分ではありました。

 

けれど私の場合、投与が禁忌の患者の部類ではどうやら無いようです。

 

例えば血圧が低い人間は控えた方が良いとの記述があったりしますが、私のばあいメタボに近い体型でどちらかというと高血圧ぎみですので、もしかしたら更に体調がよくなることも期待が出来ます。

 

仮に多少の副作用があったとしても、それよりも毛があるほうがいいと心が決まっていました。

 

更に、インターネットの情報も私を後押ししてくれました。

 

後頭部からやってくるハゲのタイプには効果が出やすいと書かれていたのです。

 

信憑性はありませんが、藁にもすがりたい気持ちの私にとっては嬉しい報告の一つでした。

 

 

思い切って医療機関を受診した私に先生は優しかったです。

 

子供は残酷|育毛ハゲタカ記

 

一言目に、

 

「小野さんレベルなら生えた人がたくさんいるから安心してください」

 

と言われ、医師から太鼓判を押された私はほっと全身の力が抜けたようでした。

 

そして、本格的な育毛剤に手を出してから5ヶ月が経ったころです。

 

本当に微量ではありますが、これまでそこに無かった毛が生え始めてきたのです。

 

焦りは禁物だと言い聞かせ、毎日育毛剤を続けてきた成果。

 

嬉しくて、嬉しくて、この日から毎日の髪のセットの時間が楽しくなります。

 

こんなのは何年ぶりでしょうか?

 

まだ、学生時代の頭にはほど遠いのですが、それでも進行し続ける日々と、改善されていく日々では雲泥の差があります。

 

ここからもっともっと生えてくれと、願う気持ちでいっぱいでした。

 

ハゲにだって恋する権利はある>>